前回はインドネシアの不動産テックについて調べてみましたが、今回はシンガポールの不動産テックを紹介していきます。なお、例によって資金調達やExitなどの情報がメインとなります。
PropertyGuru
東南アジアで最大の総合不動産ポータル。現時点でのシンガポールの掲載物件数は、売買52,201件、賃貸35,878件で、合計88,078件。
シンガポールを筆頭に、マレーシア、タイ、ベトナムでも事業展開しています。なお、インドネシアで運営していたrumah.comは、インドネシアでも最大級の不動産ポータルでしたが2023年に終了しています。
2006年設立。これまでに8回の資金調達を行っており、累計調達額は$690Mと言われています。
2022年にニューヨーク証券取引所に上場しましたが、2024年にスウェーデン系のPEファンドEQTによって$1.1B($1=150円換算で、1650億円)で買収され非公開企業となりました 。
99.co
PropertyGuruに次ぐ不動産ポータル。現時点での掲載物件数は、売買44,263件、賃貸33,556件で、合計77,819件。
2019年にインドネシアで最大の不動産ポータルrumah123を買収し、インドネシアでも存在感を示しています。
2014年設立。これまでに6回の資金調達を行っており、累計調達額は$88.5Mと言われています。2014年のシード投資ではEast Venturesがリード投資家を務めています。
Ohmyhome
不動産に関するワンストッププラットフォーム。不動産の売買や賃貸だけでなく、住宅ローンやリノベーション、プロパティマネジメント、法務サービスなどを提供する。
2016年設立。2021年にシリーズA+ラウンドで$5Mを調達(評価額$45M)。そこから急成長し2023年にはNASDAQ上場を果たしました。
ただ、株価は低迷しており、上場時の時価総額は$78Mでしたが、現時点の時価総額は$5.34Mとなっています🙄
propseller
次世代型の不動産エージェント。シンガポール版RedFin。ソフトウェアとAIを活用することで業務を効率化し、従来の仲介手数料の半額である1%という手数料を実現している。
2018年設立。2023年にシリーズAで$12Mを調達しています。
MetroResidences

法人向けの中長期滞在型サービスアパートメントのオンラインプラットフォーム。シンガポール以外に日本と香港でも事業展開している。
2014年設立。2016年にはシードで500 Startupsから$695Kを調達し、2017年にはシリーズAで楽天から$2.8Mを調達しています。
TheHouseMonk
賃貸業社向けの業務SaaS。Webサイトにサービ紹介がなく、ログインページだけなので具体的なサービス内容は分かりません。
2019年設立。2021年にインドの不動産テック企業Aurum PropTechから$5Mの資金調達を行いました(エクイティとデットの組み合わせ)。この資金調達によりAurum PropTechはTheHouseMonkの51%の株式を取得しました。
mogul.sg
AIを活用した不動産ポータル。2025年2月には、シンガポール初のAI不動産エージェント「MAIA」を発表しました。
2018年設立。2022年にシリーズAで$6.6Mを調達しています。
kucing
仲介業者を介さないP2P不動産プラットフォーム。
2023年設立。現時点では外部の資金を調達したという情報は見つかりませんでした。
ちなみに「kucing」とはマレー語やインドネシア語で「猫」の意味です。
Hometrust
インテリアデザイナーの検索・レビューサイト。現時点で2,383人のデザイナーと6,780件のレビューが登録されています。
2017年設立。現時点では外部の資金を調達したという情報は見つかりませんでした。
まとめ
以上、シンガポールの不動産テックスタートアップを調べてみました。
個人的な注目ポイントはPropertyGuruと99グループの巨人同士の戦いです。両社が不動産ポータルからどのように事業を展開していくのか、10年後にはどちらが勝者となっているのか、注視していきたいと思います。
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