以前、WhatsApp Businessについて自分なりに調べたことを備忘録的にまとめました。
2025年7月1日に料金改定があったので今回はその内容をまとめたいと思います。
「WhatsApp Business App」 と「WhatsApp Business Platform」について
WhatsApp Businessには「WhatsApp Business App」と「WhatsApp Business Platform」という2つのサービスがあります。簡単にそれぞれの違いを説明すると
- WhatsApp Business App:普通のWhatsAppアカウントのようにアプリをダウンロードして使う。WhatsApp Business専用の便利機能が使える。
- WhatsApp Business Platform:APIを使ってメッセージの送受信や情報の更新を行う。各種システムとの連携や独自システムの開発が可能。
WhatsApp Business Appはもともと無料でしたが、引き続き無料で利用できます。便利機能についての説明は前述の記事をご覧ください。
WhatsApp Business Platform(API)を利用するにはMetaの開発者プラットフォームに登録するかプロバイダーと契約する必要があるため、導入ハードルは一気に高くなります。
WhatsApp Business Platformの料金
それでは WhatsApp Business Platform の料金について解説していきます。
WhatsApp Business Platform の料金について理解するには、まずこの2つを理解する必要があります。
- メッセージカテゴリー
- カスタマーサービスウィンドウ(CSW)
WhatsApp Business Platformの4つのメッセージカテゴリー
WhatsApp Business Platformには4つのメッセージカテゴリーがあります。
- Marketing:プロモーションやキャンペーンの配信
- Authentication:2段階認証や電話番号認証など
- Utility:予約完了や支払完了などの通知
- Service:ユーザーのメッセージに対しての返信
Marketing、Authentication、Utilityのメッセージは事前にテンプレートを登録しておく必要があるのに対し、Serviceのメッセージは普通のチャットメッセージのように内容を自由に記述できます。
メッセージカテゴリーごとに単価が決まっており、単価 × 送信数 で料金が決まります。また、単価は地域や通貨によっても異なります。例えば、インドネシアでIDR建てでは、1通あたりの料金はこのようになっています。
- Marketing:IDR586.33
- Authentication:IDR356.65
- Utility:IDR356.65
- Service:IDR0(無料)
他の地域や通貨はこちらから調べることができるので、興味のある地域や通貨でご確認ください。
なお、「地域」は送信先電話番号の国番号で判定されます。
カスタマーサービスウィンドウ(CSW)について
先ほどServiceカテゴリーのメッセージは無料とお伝えしましたが、Serviceメッセージはいつでも好きな時に送れるわけではありません。次に重要になる概念が「カスタマーサービスウィンドウ」です。
「カスタマーサービスウィンドウ(CSW)」はユーザーからメッセージを受信すると24時間のみ有効になります。CSWが有効な間は送信できるメッセージカテゴリーや料金形態が異なります。
例えば、ServiceメッセージはCSW中のみ送信可能です。逆に言うと、WhatsApp Business Platformでは、任意のタイミングでフリーフォーマットのメッセージを送信することはできません。その他の、Marketing、Authentication、UtilityのテンプレートメッセージであればCSW外でも送信可能です。
また、UtilityについてはCSW中は無料になります。ユーザーからの特定のキーワードを受信すると自動応答でUtilityメッセージを送信するユースケースが想定できます。例えば「my bookings」というキーワードを受信すると、自動で予約内容を返答するようなBotを作成できます。
全てのメッセージが無料になる「フリーエントリーポイントウィンドウ」
WhatsApp Business Platformでは、例外的に全てのメッセージが無料になる「フリーエントリーポイント(FEP)ウィンドウ」というものがあります。
FEPウィンドウはWhatsApp広告やFacebookページのCTAボタンから集客したユーザーに対してメッセージを送信すると有効となり、有効になってから72時間継続します。
FEPウィンドウが有効となっている72時間はMarketingやAuthenticationなど、全てのメッセージが無料になります。
ただし、無料になるのはメッセージの料金のみで、当然WhatsApp広告を出稿すれば広告料金は別途かかります。
WhatsApp Business Platformの料金のまとめ
ここまでの内容をわかりやすく1つの表でまとめます(公式ドキュメントにも同様の表があります)。
メッセージタイプ | メッセージカテゴリー | 送信可能タイミング | CSW外の料金 | CSW中の料金 | FEPウィンドウ中の料金 |
---|---|---|---|---|---|
テンプレート | Marketing | いつでも | 有料 | 有料 | 無料 |
テンプレート | Authentication | いつでも | 有料 | 有料 | 無料 |
テンプレート | Utility | いつでも | 有料 | 無料 | 無料 |
フリーフォーム | Service | CSW中のみ | − | 無料 | 無料 |
なお、上記の内容は調査時点のものですので、最新の情報は公式ドキュメントをご確認ください。
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